節分にいわしを食べるようになった由来について解説しておきます。
目次
節分にいわしを食べる理由
節分にいわしを食べるようになった由来としては、諸説ありますが、以下の3つの説が有力視されています。
- 厄除け
- 害虫よけ
- 栄養効果
では、順番に説明していきます。
1.厄除け
いわし(鰯)の臭いは、鬼(邪気)が嫌いな臭いとして、昔から厄除けとして利用されていました。鬼は、臭いのキツイものや尖ったものを嫌うと考えられていたため、臭い鰯と葉が尖っている柊が厄払いに使われていたのです。
鰯の頭を塩焼きにすることで、その臭いと煙で鬼を家に近づけないようにし、それでも家に侵入しようとする鬼に対しては、柊のトゲが目に突き刺さるため、鬼を追い払う効果があるとされています。昔の人は、臭いのキツイ鰯の頭を柊の枝に指し、それを戸口に置いておくことで、鬼が家に侵入するのを防げると考えていたのです。
これは、焼嗅(やいかがし)という風習として現在でも残っており、鰯の頭を柊の枝に指したものは、柊鰯と呼ばれています。平安時代に成立した土佐日記には、鰯ではなくボラが使われていたと記載されおり、江戸時代の浮世絵には柊鰯が描かれているものも存在します。
というわけで、臭い魚と尖った葉で邪気を祓うという風習は、平安時代から行われていたと考えられます。
では、柊鰯はいつまで戸口に飾っておくのでしょうか?
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柊鰯を飾る期間
柊鰯を飾る時期については、地域によって異なり、主には以下の4通りのパターンがあります。
- 節分の日のみ
- 小正月(1月15日)の翌日から節分の日まで
- 節分の日から雨水(2月18日)まで
- 節分の日から2月末まで
- 節分の日から1年間
- 猫に食べられるまで
etc
節分の日のみ飾る場合は、節分の日の夕暮れから飾り始めて、翌日外すという地域もあります。いずれにせよ、柊鰯を飾っておく時期については特に決まりはありません。
どうしても気になるという方は、お近くの寺社に問い合わせれば、その地域の風習について教えてもらえるはずです。
柊鰯の処分方法
柊鰯の処分方法としては、主に以下の4通りのやり方があります。
- 神社のお焚き上げ
- 玄関先に埋める
- 焼いて、灰を玄関に盛る
- 塩で清めてから半紙に包んで捨てる
お塩で清めてから半紙にくるんで捨てる方法が、簡単で無難な処分方法と言えます。
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2.害虫よけ
鰯は、塩焼きにした際に煙がたちやすいので、米食い虫(コクゾウムシ)が逃げていくとされています。コクゾウムシは、米を食い荒らす代表的な害虫であり、過去に「所さんの目がテン!」というバラエティ番組にて、鰯の煙でコクゾウムシをいぶり出せるかという実験が行われ、コクゾウムシは鰯の煙の濃度が薄いところに逃げていくという結果が得られています。
つまり、昔の人は経験則から害虫駆除として、鰯の煙が有効なことを知っていたようです。そのため、節分の日には大切なお米を害虫から守るために、鰯が使われるようになったとする説が残っています。
3.栄養効果
鰯には、DHAなどの必須脂肪酸、カルシウム、リン、ミネラル類などが豊富に含まれているため、以下のような健康効果があります。
- 血液サラサラ
- 生活習慣病の予防、改善
- 記憶力や学習能力向上
- 骨や歯を丈夫にする
つまり、昔の人は経験則から鰯が健康によい魚だということを知っており、冬を乗り切る栄養源として節分に食べられるようになったと考えられます。
まとめ
節分に鰯が食べられるようになったのは、以下の3つの説が理由として考えられています。
- 厄除け
- 害虫よけ
- 栄養効果
現在では、厄除けとして柊鰯を戸口に飾っている家庭はほとんどありませんが、地域によっては焼嗅(やいかがし)という風習として残っています。また、鰯は健康によい魚であり、以下のような効果が期待できます。
- 血液サラサラ
- 生活習慣病の予防、改善
- 記憶力や学習能力向上
- 骨や歯を丈夫にする
普段、魚を食べる機会が少ない人は、節分に鰯を食べてみてはいかがでしょうか。
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