銀杏は食べ過ぎると中毒を引き起こすことがあります。今回は、銀杏の中毒症状と治療法についてまとめておきます。
目次
銀杏の中毒症状
まず、結論から言うと、銀杏を食べ過ぎると以下の中毒症状を発症することがあります。
- 痙攣
- めまい
- 意識混濁
- 呼吸困難
- 呼吸促迫
- 手足の麻痺
- 不整脈
- 顔面蒼白
- 嘔吐
- 発熱など
出典:http://nikkan-spa.jp/750503
出典:http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf#search=’銀杏+中毒
銀杏には、メチルピリドキシン(MPN)という中毒物質が含まれており、脳内の興奮を鎮めるギャバ(GABA)という成分を少なくする働きがあるので、大量に食べると神経の興奮を誘発するため、痙攣や呼吸困難を引き起こしやすくなります。さらに、GABAは、血圧を下げる効果もあることから、GABAが少なくなることで、血圧も上昇してしまいます。
銀杏を食べ過ぎると、1~12時間後に、腹痛、嘔吐、下痢などの比較的軽度な症状が出ますが、大量に食べた場合は、先に説明したように呼吸困難や不整脈などにより死の危険も伴います。
では、銀杏は何個までなら食べても良いのでしょうか?
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中毒を引き起こす量
日本中毒情報センターによると、銀杏で危険な中毒症状を引き起こす可能性がある量として以下のように説明されています。
子供では一度に7個以上、成人では一度に40個以上
出典:http://nikkan-spa.jp/750503
一度に40個以上食べるというのは、枝豆なら有り得る話しですが、よほどの銀杏好きでない限り、連続で40個食べる人はまずいないでしょう。ただし、子供の場合、7個くらいなら一度に食べてしまう危険があるので、銀杏好きの子供を持つ親は注意が必要です。
また、銀杏中毒は5歳未満の幼児に多く見られ、中毒症状を起した人の70%以上が10歳未満の子供だと報告されています。では、仮に子供が中毒症状を発症した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?
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銀杏中毒の対処法と治療法
まず、日本中毒情報センターによると、家庭で銀杏中毒を発症した場合、以下のような注意が促されています。
痙攣を誘発するので、吐かせてはいけない
出典:http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf#search=’銀杏+中毒’
つまり、銀杏を食べた後、子供に顔面蒼白、呼吸困難などの症状が見られたら、下手に処置をしようとせず、すぐに救急車を呼んだ方が良いということです。そして、銀杏中毒で医療機関に運ばれた場合、医師から以下のような質問を受けます。
- 銀杏の摂取量
- 摂取時間
- 発症時間
出典:http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf#search=’銀杏+中毒’
そのため、救急車を呼んだら、子供が口にした銀杏の摂取量や食べた時間などをメモしておきましょう。また、医療機関では以下の処置がなされます。
症状が一時的に治まっても再び痙攣が起こることがあるので、入院させて経過をみる。痙攣を誘発するので、催吐や胃洗浄は行わない。対症療法 :痙攣-ジアゼパムの投与。特異的治療:リン酸ピリドキサールの静注出典:http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf#search=’銀杏+中毒’
つまり、銀杏中毒を発症すると、少なくともその日は入院しなければならないことを覚悟しておく必要があります。銀杏で中毒を起した人の半数は24時間以内に回復しており、遅くとも90時間位内には回復するとのことです。
では、最後に銀杏中毒の発症例についてまとめておきます。
銀杏中毒症例
日本ではこれまでに70例の銀杏中毒が報告されていますが、このうち22例が残念な結果となっています。出典:http://www.naoru.com/ginnan.htm
つまり、このデータを参考にすると死亡率は約31%ということになります。事例としては、15個の銀杏を食べた2歳の子供が亡くなったという報告があります。いずれにせよ、子供に銀杏を食べさせるときには、「7個以上は危険」とおぼえておきましょう。
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