京都の夏の夜空をあざやかに彩る五山の送り火は、葵祭・祇園祭・時代祭と並ぶ京の四大行事の一つとされており、平日でも10万人の見物客が訪れる人気の伝統行事です。
この五山の送り火、実施される時間はわずか1時間足らず。
短い時間の中でいかに五山の送り火を楽しむか、事前の下調べがかなり重要になってきます。
今回は、2019年の五山の送り火を観賞する方に向けて、交通規制や点灯時間、場所、雨天時の対応などの情報を紹介します。
目次
五山の送り火の基本情報
◎五山の送り火が行われるのは例年お盆の終わりの8月16日
点火される時間は午後8時となっています。
京都五山で一斉に点火するのではなく、時間差で火が灯されていきます。
以下は点火の予定時間です。
午後8時 大文字 (東山如意ヶ嶽)
午後8時5分 妙・法 (松ヶ埼 西山 東山)
午後8時10分 舟形 (西賀茂船山)
午後8時15分 左大文字 (大北山)
午後8時20分 鳥居形 (嵯峨鳥居本曼荼羅山)
※松ヶ崎は西山と東山の2か所で一つとなっています。
このように五山の送り火を代表する大文字の「大」の字を皮切りに、5分おきの時間差で京都五山の各スポットで東→西の反時計回りで点火されていきます。
【雨天時の対応】
◎五山の送り火は多少の雨が降っても決行され、延期はあっても中止はなし
2016年には豪雨のため点火の瞬間はほとんど見えなかったそうですが、それでも決行されたとのことです。
過去の事例では昭和38年にちょうど点火の時に集中豪雨となり、「大」の字のみ翌日に延期されたそうですが、それ以降約50年延期はありません。
sponsored link
各山の送り火鑑賞スポット
せっかく行くのであればよく見える場所で鑑賞したいものですよね。
各山の送り火がよく見えるスポットを以下にご紹介します。
- 大文字 - 鴨川堤防沿い・京都御苑・御蔭橋及び加茂大橋
- 妙 - 北山通
- 法 - 高野川堤防沿い・加茂大橋
- 舟形 - 北山通・御薗橋
- 左大文字 - 西大路通・平野神社・わら天神・船岡山公園
- 鳥居形 - 松尾橋・広沢の池
など
五山の送り火を全て見てみたい!という方も多いのではないでしょうか。
ちゃんとありますよ!全て見れるスポットが。
京都駅ビルの空中径路・大空広場
こちらは7月に入ってから京都駅ビル公式サイトで抽選が行われ、当選者とその同伴者1名のみが当日、空中径路と大空広場に入ることができます。
京都タワー、ホテルオークラの高層レストラン
おいしい食事をいただきながら優雅に五山送り火を全て鑑賞できます。 (ただし文字はかなり小さめ),
事前予約が必要で価格も高めです。
将軍塚展望台
五山送り火当日は許可車両しか入ることができなくなり、特別鑑賞ツアーに申し込んだ人のみ観覧できます。
その他市内各ホテルの屋上でも見ることができますが、残念ながら抽選だったり有料であったり、気軽に行けるところはありません。
そこで、全て見ることはできませんが、複数の文字が見れるスポットを紹介します。
イオンモール京都五条の屋上駐車場
車で来られる方もここなら駐車することができる、人気スポットです。
当日は五山送り火目当てに来店する人が大幅に増えるため、確実に車を停めるためには早めに到着しておくほうがいいでしょう。
ここでは「妙・法」以外全ての文字が見られます。
船岡山公園の展望台
ここでは「鳥居」以外全て見ることができます。ただ見物客はかなり多く、混みあった中での鑑賞を覚悟して行ったほうがよさそうです。
北大路橋
五山送り火を代表する「大」の字をメインに見たいという方にはここがおすすめです。
ここでは「大」・「妙・法」・「舟形」が見れます。
北大路駅から北大路通りを東に約8分ほど歩いたところにある橋で、京都の地理にあまり詳しくない人でも行きやすいスポットです。
「出雲路橋」と「葵橋」の間
北大路橋と同じく、「大」・「妙・法」・「舟形」の3つの文字が見やすいスポットとなっています。
sponsored link
五山の送り火交通規制エリア
規制時間は主に午後7時~9時となっています。
五山の送り火当日の規制エリアについては下図を参照してください。
五山の送り火当日は市バス・地下鉄ともに臨時便が増発されます。
規制が敷かれたエリア周辺の道路はかなり渋滞するので、移動には公共機関を利用するほうがスムーズでしょう。
また、電車で来る場合も「大」の字の鑑賞スポットに一番近い出町柳駅は大変混雑します。
出町柳駅を利用する場合は早めに現地に到着しておき、場所を確保しておくほうがよいでしょう。
点火の4時間前から場所とりをする人もいるそうです。
<まとめ>
五山の送り火は、お盆に帰ってきたお精霊(しょらい)さんと言われる祖先の霊を、再びあの世に送り出すという意味のある大切な伝統行事です。
豪雨のときでも中止とせずに伝統を守って16日に行うのも、祖先の霊をきちんとあの世に送り返すため。
ただのイベントとして鑑賞するのではなく、京の夜を彩るかがり火を見ながら、真摯に祈りをささげる地元の人たちと共に、自身の祖先に思いを馳せてみるのもいいですね。
sponsored link
オススメの記事