大晦日に年越しそばを食べる意味や由来についてまとめておきます。
年越しそばを食べる意味
大晦日に年越しそばを食べるようになったのは江戸時代中頃からと言われており、その理由には諸説がありますが、以下の3つが有力視されています。
- 長寿・健康祈願
- 金運を呼ぶ縁起物
- 苦や災いを切り捨てる
では、順番に説明していきます。
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長寿・健康祈願
そばは細くて長いので、長寿延命などの縁起物として食べるようになったという説があります。また、そばは風雨にさらされて倒れても、太陽の光を浴びればすぐに真っ直ぐに立ち上上がることから、そのたくましさや強さにあやかり、長生きできる縁起物として考えられていたのです。
そもそも、そばには「ルチン」という成分が含まれており、以下のような健康効果が期待できます。
- 生活習慣病の予防改善
- 心疾患の予防
- 糖尿病の予防
- 認知症の予防
また、都道府県別平均寿命ランキングで、2013年に1位になった長野県の代表食がそばであることからも、そばの健康効果は高いと考えられているのです。
ちなみに、ルチンが発見されたのは1930年代のことなので、江戸時代の人々がルチンの効能について知る由はありませんが、健康によい食べ物だということを経験的に知っていた可能性は否定できません。
ルチンは以下のような食品にも多く含まれています。
- アスパラガス
- トマト
- いちじく
- みかん
- レモン
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金運を呼ぶ縁起物
江戸時代に、金銀の細工師が散らかした金の粉を集めるのに、そば粉を練って丸めた団子で台面をぬぐうと、金粉を粘着させて集めやすかったため、そばは金を集める縁起物として知られるようになりました。そして、細工師たちが大晦日の夜に仕事納めをする際、そば粉の団子で畳の目などにつまった細かい金粉を集めていたため、大晦日にそばを食べることで、金運が高まると言われるようになったのです。
さらに、そばは江戸時代よりも前から運気を高める食べ物として知られており、鎌倉時代に博多の承天寺において、貧しくて年の瀬を越せない町人に中国のお坊さんが蕎麦を振る舞ったところ、翌年から蕎麦を食べた町人の運気が高くなったと言われています。
苦や災いを切り捨てる
そばは箸で切れやすいことから、その年の苦労や災いなどを綺麗サッパリ切り捨てて、新たな気持ちで新年を迎えるために食べるようになったとの由来もあります。さらに、ソバの実の形は三角錐であり、古来より三角形には邪気を払う力があるとされているため、大晦日に自分の身に取り付いた悪い気をすべて振り払い、新年を迎えるという説もあります。
年越しそばはいつ食べればよいのか
年越しそばを食べる時間帯についてですが、大晦日であればどのタイミングで食べても構わないとされており、昼食や夕食に食べるのが一般的です。年を越してから食べるのは、上記で説明した由来から金運に恵まれないなど縁起が悪いので、大晦日のうちに食べ終えましょう。
ただし、一部の地域では大晦日ではなく、元日にそばを食べる習慣があり、福島県の会津地方では「元日そば、二日もち、三日とろろ」という言葉があります。この地域では、大晦日には「ざくざく煮」という郷土料理を食べるのが昔からの習わしなのです。
また、新潟県でも元日や小正月の前日である1月14日にそばを食べる習慣が残っています。このように、地域によっては年越しそばを食べる習慣がないところもあるので、お住まいの地域の習わしに従うのが無難と言えます。
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