この記事では、七福神のそれぞれの神様の意味や名前の読み方についてまとめておきます。
目次
七福神の名前の読み方
まずは、七福神において、それぞれの神様の名前の読み方をチェックしておきましょう。
- 恵比寿(えびす)
- 大黒天(だいこくてん)
- 毘沙門天(びしゃもんてん)
- 弁才天(べんざいてん)
- 寿老人(じゅろうじん)
- 福禄寿(ふくろくじゅ)
- 布袋(ほてい)
では、続いて、それぞれの神様の意味やご利益についてまとめておきます。
七福神の意味とご利益について
1.恵比寿(えびす)
恵比寿は、上の写真のように、烏帽子に狩衣姿で釣り竿と鯛を持つ漁業の神様です。恵比寿は、日本神話に登場する「いざなぎのみこと」と「いざなみのみこと」との間に生まれた蛭子命(ひるこのみこと)と言われており、日本由来の神です。
最初は、漁民たちが守護神として崇めていましたが、後に商売の神様として庶民からも信仰を集める存在となります。また、以下のようなご利益があるとされています。
- 商売繁盛
- 除災招福
- 五穀豊穣
- 大魚守護
2.大黒天(だいこくてん)
大黒天は、打ち出の小槌と大きな袋を抱える農業の神様です。大黒天は、ヒンドゥー教の神様であり、創造と破壊を司るシヴァ神の化身であるマハーカーラという神様に由来しています。
マハーカーラが日本に伝来した後、日本神話に登場する大国主命(おおくにぬしのみこと)と一体化して誕生したのが、大黒天なのです。大黒天の持つ打ち出の小槌は、日本の昔話などで宝として扱われており、振ることにより人々に富をもたらすとされています。
そのため、大黒天には以下のようなご利益があるのです。
- 商売繁盛
- 出世開運
- 五穀豊穣
- 子孫愛育
3.毘沙門天(びしゃもんてん)
毘沙門天は、鎧を身につけ矛を携えた姿が特徴的であり、財宝を守る神様です。毘沙門天は、ヒンドゥー教の財宝神であるクベーラが前身であり、当初は戦闘的イメージはありませんでした。
しかし、中国に伝来する過程で、武の神としての信仰が生まれ、その後日本に伝わったとされています。そのため、毘沙門天は現在のような武神として描かれるようになり、以下のようなご利益があるとされています。
- 武道成就
- 降魔厄除
- 家内安全
- 夫婦和合
※和合:仲良くなり、親しみあうことを指す。
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4.弁才天(べんざいてん)
弁才天は、琵琶を奏でる姿で描かれる女神であり、ヒンドゥー教の水神サラスヴァティーに由来しています。もともとサラスヴァティーは、大河の雄大さや偉大さを表す神様として描かれていましたが、河の水の流れる音が、まるで音楽を奏でているようだという連想から音楽の女神としても信仰されるようになったのです。
さらに、サラスヴァティーが言葉の女神であるヴァーチュと同一視されるようになり、弁舌の才に優れ、学芸や知恵をもたらす女神として崇められるようになりました。また、弁才天において「才(ざい)」という読みが「財」に通じることから、財宝をもららす神様・弁財天としても表記されています。
以上から、弁才天(弁財天)には、以下のようなご利益があります。
- 学徳成就
- 諸芸上達
- 福徳施与
- 恋愛成就
5.寿老人(じゅろうじん)
寿老人は、白く長いヒゲを生やし、頭巾をかぶり、長い杖と巻物を持った仙人のような姿で描かれることが多いです。もともとは、中国の道教の神様で、「生」を司る南極老人星(カノープス)の化身とされています。
寿老人は、日本に伝来した際に仏教の神様などとは結びつかず、中国でのイメージがそのまま生かされた姿で描かれています。寿老人は、その由来や姿から以下のようなご利益があるとされています。
- 幸福長寿
- 家庭円満
- 延命長寿
- 福徳知恵
6.福禄寿(ふくろくじゅ)
福禄寿は、寿老人の同体異名とされており、中国人が人生の三大目標として掲げる福(幸福)、禄(身分、財産)、寿(健康、長寿)のすべてを兼ね備えた神様とされています。福禄寿は、寿老人と同じく、白いヒゲをたくわえ、縦長な頭が特徴的であり、長い杖を持っています。
さらに、福・禄・寿のすべてを兼ね備えた者は、徳も備えていることから、人徳の神様としても有名です。そして、福禄寿には、以下のようなご利益があります。
- 延命長寿
- 立身出世
- 財運福徳
- 招徳人望
7.布袋(ほてい)
布袋は、実在した人物であり、中国の僧である契此(かいし)がモデルになっていると言われています。この僧は大きな袋を背負い、杖を持ち、いつも人々からの施しを求めて、各地を旅して回っていたようです。
そして、契此は、布施を受けた際に、感謝の記しとして、その人の吉凶を占っていました。そして、その占いが百発百中で当たっていたことから、超能力者として人々から一目置かれる存在だったのです。
また、背が低く、笑ったときに額や鼻のまわりにシワが寄る愛嬌の良い表情が特徴的だったことから、誰からも愛される僧だったと言われてます。契此は、布施和尚として人々からの人気が高く、人徳、福運などのご利益があるとされています。
- 商売繁盛
- 家庭円満
- 千客万来
- 家運隆盛
では、次に七福神の由来について整理しておきましょう。
七福神の由来
七福神の由来をまとめておきます。
- 日本由来の神様:恵比寿
- インド由来の神様:大黒天、毘沙門天、弁才天
- 中国由来の神様:寿老人、福禄寿、布袋
つまり、七福神において、日本由来の神様は恵比寿だけなのです。
七福神が結成された歴史
七福神は、平安時代の僧である最澄が、比叡山にてヒンドゥー教の神様である大黒天を神として祀ったことが起源とされています。そして、大黒天の存在が庶民に広がると、人々は日本由来の神様である恵比寿と大黒天をセットで信仰するようになったのです。
平安時代以降には、インドの神様である毘沙門天が伝来したため、恵比寿と大黒天に毘沙門天を加え、三神として崇められるようになります。その後、次々と神様が加えられていき、最終的に、江戸時代には、現在のような顔ぶれに定まったと言われています。
江戸時代の浮世絵には、宝船に乗った七福神が描かれており、正月には初詣を兼ねて、七福神巡りが行われるようになっていました。先に説明したように、七福神には、不老長寿、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全など多くのご利益があるので、庶民にとって正月の風習として定着したのです。
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